PAN'S LABYRINTH

PAN’S LABYRINTH

パンズ・ラビリンス」(PAN'S LABYRINTH)という映画を観てきた。“ダーク・ファンタジーと位置づけられたスペイン映画。“ダーク・ファンタジー”って何?!?!* ・・・まぁ、そんな興味本位で観てきたよ。
主人公は少女・・・というところまでは、ファンタジー映画の定番な感じ。でも、この映画は、けして子供が楽しむ映画では無い。・・・というか、子供は絶対に観たらダメ!!★ だって、強烈にグロいから!!
この映画の舞台は1944年、内戦下のスペイン。とにかくゲリラや自分の邪魔になる人は次々と殺し、自分の地位と遺伝子(跡継ぎ)を残したかった将軍、そこに臨月ながら嫁ぐ少女の母親、将軍の召使に、医者・・・その人間模様と心情が非常にリアルに描かれている。残酷な時代と、恐ろしい現実から逃避するかのごとく、少女オフィリアはファンタジーの迷宮に迷い込み、夢と希望を信じて立ち向かうというお話だ。出てくる登場人物のそれぞれの異なる価値観と生き方・・・そして、少女のように幻想の世界、美しいものにすがりたい人間の本質を、とても上手に表現している映画なので、色んなことを考えさせられる刺激的な映画だと思った。一緒に観たミチは大絶賛。イヅミも気に入った様子。グロさ覚悟で、観て損は無い映画だと思うよ。 
私がもう一つ注目したのは、その映像表現。リアルに世界観を表現しているだけでなく、色彩がとても美しい。色んなグリーンの色がとてもキレイに出ていて、そんな色彩表現がこの映画を更にクオリティの高いものにしているんじゃないかと思う。少女オフィリアも常にグリーン系の衣装を着ているのだが、最後の幻想の世界で、暖色の衣装に変わっているのが、とても印象的だった。・・・さすが、アカデミー賞3部門受賞(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞)だけあるわ。 
http://www.panslabyrinth.jp/