世界フィギュア2008

World Figureskating 2008 Ladies

今年のスウェーデンGöteborgで開催されたフィギュアスケート世界選手権、昨年の東京開催の時は日々会場に足を運んでいたが、今年は日々テレビ観戦。少し感想を述べておこう。 

・ペア
今年は圧倒的な実力を持つ去年のチャンピオンXue SHEN / Hongbo ZHAOが引退しているため、今年は残りの中国ペア2組と、ドイツのAliona SAVCHENKO / Robin SZOLKOWYの争いになることは予想され、グランプリ・ファイナルを制しているドイツのカップルが有力だと思っていた通り、彼らがチャンピオンの座を掴み取った。とはいえ、フリーで1位になったものの、けして良い出来では無かった。なんとなく中国ペアのミスもあり、優勝したという感じ。私は元々ドイツのカップルが好きだから、嬉しいんだけどね。元々ドイツ(旧東ドイツ)ってペアって、どの時代も結構好きなんだよね。なんか、北米の派手さ、ロシアの可憐さとはまた異なる、独特な個性とスポーティーさがあるからね。そして2位は中国のDan ZHANG / Hao ZHANG。私は彼らよりもQing PANG / Jian TONGの方が実力があると思うし、期待もしていたんだけど、彼らも出来がイマイチで、結果5位になったね。そんな中、なんと4位になったYuko KAWAGUCHI / Alexander SMIRNOVが一番感動したかも!! 特にショートの出来は素晴らしかったと思う。川口悠子も今まで3人ぐらいのロシア人と組んできたけど、今回のパートナーが断然合っていると思う。SMIRNOVと組んでから、初めてペアとして一体感がある演技をするなーって思ったもん。本当はあとちょっとで3位になれたところだったけど、4位でも十分に素晴らしいと思うし、この調子で更に来年飛躍してくれることを期待しちゃうよ。 

・女子シングル
 
まず、浅田真央ちゃん、オメデトウ!!☆ 去年はショートのミスで、優勝の座を安藤美姫に譲ることになってしまったが、今年は無事に金メダルを勝ち取ることができたんだから、本当におめでたいし、素晴らしいことだと思う。しかもコーチ不在の中、立派だと思う。ただ、ショートもフリーも2位の中の総合優勝。スパッとした感じでは無いよね。で、去年は安藤美姫が優勝したんだけど、スケート自体の実力的には、浅田真央Yu-Na KIMCarolina KOSTNERの3人がダントツ上手いと、生観戦して感じたんだよね。で、やっぱり今年はその3人の争いになったね。ショート1位がCarolina、ショートでミスして5位と出遅れたけど、フリーでは素晴らしい出来で1位となったYu-Na。Carolinaはシュートでミスしたのに、なぜ大きなミスの無かった浅田真央より上になったのか疑問だった人もいたと思う。でも、真央ちゃんはスパイラルがそれぞれのポジションで3秒ホールドしてなかったし、ルッツは相変わらずwrong edgeだから、ポイントが少しづつ落としたのよねー。それでも真央ちゃんは今年更に成長したと思うし、Carolinaも去年より踊り心を磨いて、格段に上手くなっている。つまり、彼女たちはまだ成長過程にいる。現在女子シングルは、去年ぐらいからティーンが引っ張っていて、そういう意味では、まだまだ見応えが足りない。この3人が22〜23才ぐらいになった時が楽しみだわー!! そして安藤美姫、ショートの出来は大きなミスというものはなく、けして悪くはなかった。でも、まぁ演技としてショート8位・・・妥当だなーって感じだった。本人及びコーチは、ここまで低く評価されると思っていなかったかもしれないけどね。せっかく昨シーズンのショートプログラムを復活させたのに、結果が付いてこなかったからか?! そして、フリーは滑り出すものの、演技の途中で棄権。マスコミから叩かれても仕方が無い結末。怪我が酷かったら棄権たよね。一度滑り出したなら、ボロボロでも最後まで滑るべきだったと思う。なんか、安藤美姫のイメージが確実に下がった。それと比べて、怪我と故障に苦しみ、地元開催の四大陸選手権も棄権していたYu-Naは、ちゃんと世界選手権ではしっかり滑っていたし、実質フリーでは1位の演技をしている。Yu-Naの方が年下なのに、ちゃんと地に足が付いている感じがするよね。そして、ショート・フリー共にノー・ミスの演技で4位になった中野友加里は素晴らしかった。もちろんトップ3人にはかなわないけど、本当に頑張ったと思う。もっと強弱(抑揚)付けてプログラムを滑れると、もう一ランク上のスケーターになれるんだけど、そんな中野友加里も観てみたいから、頑張って欲しい。 

アイスダンス
今年はぶっちゃけ本命のいない大会だった。というか、去年までの人たちは引退し、今年1位に最も近いと思われていたロシアのOksana DOMNINA / Maxim SHABALINは、怪我で出場しなかった。・・・だとしたら誰?! 若手アメリカのTanith BELBIN / Benjamin AGOSTOか?! 今までの実績ベースでは、彼らが優勝候補筆頭だった。・・・だが、結果は4位。コンパルソリーで転倒したらしく(フジテレビは放送してくれなかったのでよくわからんが・・・)、結局そのまま低い点をもらい、フリー単独では3位ながらも、総合4位という結果。優勝は大ベテラン、フランスのIsabelle DELOBEL / Olivier SCHOENFELDERが勝ち取った。彼らは実力と個性はありながらも、今までなかなか表彰台まで辿り着かない立ち位置だった。ほんと、長年頑張ってきた甲斐があったナー。メデタイわ。しかし、彼らもフリー単独では実は2位。フリー1位は、カナダの若手Tessa VIRTUE / Scott MOIRだった。・・・っていうか、「シェルブールの雨傘」あのプログラムは反則だー!!っていうぐらい素敵なプログラムだった。もちろんまだ10代の2人だけど、なにせ10歳ぐらいからペアを組んでいるとかで、ベテランそのもの!! けして個性の強いカップルでは無いけど、技術は確かなので、プログラム次第で、来年は優勝も十分狙えると思う。フジテレビ、あまりアイスダンスを放送してくれなかったけど、今回一番驚いたのは、ロシアのJana KHOKHLOVA / Sergei NOVITSKI・・・ロシアは、今やDOMNINA / SHABALINしかいないと思っていた所、この人たちこんなに上手かったんだ!!・・・と正直驚いた。けして好きなタイプのカップルじゃないけど、オリジナル・ダンスはめちゃくちゃ良くて、テレビ観ながら拍手しちゃったよ!! 結果も3位、良かったよ。 

・男子シングル 

優勝に一番近いと誰もが思っていた高橋大輔・・・ショート&フリーともにボロボロで、表彰台にすら上がれないというショックな結果に終わった。シーズン中盤になってどんどん調子を上げていたから、なぜ逆にここまでボロボロに*・・・とたまげた。金に拘りすぎたと本人も言っていたが、やはり周りの期待以上に、本人とコーチのモロゾフも優勝を意識しすぎたのだと思う。それは大会前に発売された「International Figure Skating」(USのスケート雑誌)の特集の中のインタビューでも露骨だった。モロゾフも「とにかく優勝させてあげたい!! 伝説のスケーターになって欲しい。」とひたすら言っている印象だった。そして、直前の韓国開催の四大陸選手権で、歴代1位のスコアを叩き出し、どうやら既に四大陸でピークを迎えてしまったのだ。早いって・・・。あれ以上の演技にならないことはなんとなく想定していたけど、あそこまでミス連発じゃぁー仕方が無い。逆に、今大会めちゃくちゃ頑張ったのが、Jeffrey BUTTLEJohnny WEIR!! この2人は元々スケート自体は上手で、でも4回転が跳べないことから、完璧に滑らない限り、四回転を跳ぶ人には勝てなかった。しかし作シーズンはミスが続いた。でも、今年は違った!! Johnnyは今年から4回転をプログラムに入れてきたし、それ以上に、2人はショート&フリー共に良い演技をした。正直、Brian JOUBERTもフリーは完璧だったので、演技直後、彼は2連覇の自信があったと思う。ただ、Brianは4回転1回のみ・・・彼の価値はやはりジャンプだから、4回転1発では、Jeffreyの美しいスケートにはかなわなかったのだ。いや〜久々にJeffreyの演技には感動した!!☆ Brian JOUBERTが勝つより、断然嬉しい。何がともあれ、Jeffreyはショート&フリー共に1位の完全優勝!!☆ カッコイイ!!☆ 4種目中、完全優勝は彼だけだっただけに、輝やいていた。トリノ五輪の銀メダルより、遥かに素晴らしいと思った。日本から初出場の小塚崇彦、頑張ったね!!☆ 8位入賞は予想していた結果を上回った。織田信成がいない中で、来年世界フィギュアの出場枠を3枠キープできたのは、本当に立派だ。・・・期待されたStephane LAMBIELは、高橋と同じくイマイチの結果で残念だったが、やっぱり、総合的に男子が一番迫力あって、面白いわ〜!!☆ 

実は、Jeffrey BUTTLE以上に感動したことがあった!!★ それは表彰式での国歌斉唱の歌が生アカペラコーラスだったこと!! つまりスウェーデン人、各メダル候補の選手の国の国歌を丸暗記したってことでしょ?! 君が代とか短いけど、カナダの国歌とかかなり長くてマジ感動倍増したわ〜。


・・・というわけで、今年の世界フィギュアが終わった。来年はLA開催。次こそ、高橋大輔に期待したい!!★