THE Sleeping Beauty on ICE

THE IMPERIAL ICE STARSの2回目の来日公演われた。舞台の上で繰り広げられるフィギュアスケートにバレエ、サーカス、演劇の要素を加えた作品。前回の「SWAN LAKE ON ICE」の感動（2007年8月29日）が忘れられず、今回の公演も非常に楽しみにしていて、初日に観に行ってきた。今回の作品は「THE SLEEPING BEAUTY ON ICE」（シアターアイスショー眠れる森の美女）だ。

そもそも「THE SLEEPNG BEAUTY ON ICE」は、THE IMPERIAL ICE STARSの前身の団体の最初の作品で、プロデューサー/演出/振付のTony Mercerが、あの有名なTatiana Tarasova（最近では、浅田真央のコーチ）と一緒に1993年に作った作品らしい。2004年にTHE IMPERIAL ICE STARSという組織が結成されて、再びTatiana Tarasovaの振り付けで作られたTHE IMPERIAL ICE STARS第1弾作品でもある。つまり「SWAN LAKE ON ICE」よりも前の作品になる。「SWAN LAKE ON ICE」が非常に好評で世界中あちこちツアー中、「THE SLEEPING BEAUTY ON ICE」の再演希望の声が多かったということで、現在第3弾の「CINDERELLA ON ICE」をツアー中ではあるものの、全く別キャスティングで、振り付けに手を加えて、衣装も変えて、再演することになったのが、今回2008年の「THE SLEEPING BEAUTY ON ICE」だ。（※ちなみに今回の振り付けは、オリンピックメダリストのIlia AverbukhとMaria Orlova。）

率直に感想を言おう… 相変わらず素晴らしい舞台だとは思ったけど、「SWAN LAKE ON ICE」ほどの感動は無かった。問題はいくつかある。１．「眠れる森の美女」のストーリーがつまらない。２．キャスティングが、オリジナル・メンバーより劣るのでは?!?!＊
ストーリーは仕方が無い。しかし、キャスティングの問題は大きい!! 今回のツアーのメンバーはほぼTHE IMPERIAL ICE STARSの新入り。2004年時のオリジナル・メンバーは、その後「SWAN LAKE」、そして「CINDERELLA」に移っているのだから…。「SWAN LAKE」でオデット役をやった女性は、2004年時はリラ精をやったらしいが、彼女はトゥシューズの踊り、ジャンプ、スピン、宙吊り、何でもこなしていたアイスダンサーだったが、今回リラ精をやった女性はただのアイスダンサーで、スピンもジャンプもやらない。魅力的な女性かもしれないけど、惹きつけられるほどの演技力があるわけでもなかった。また、今回オーロラ姫とデジレ王子をやった二人も、元々ペアスケーターで、カップルだけに、二人のペアの技はとっても上手なんだけど、アイスダンスリフトとかは無いし、やっぱり技の感動は無かった。しかもオーロラ姫は一人で滑っていてチャーミングだけど、王子の表現力はイマイチだった。結局、今回のキャスティングで、断トツ光って目立っていたのがカタラビュート役のIlya Klimkin!! 彼は素晴らしかった☆ さすが、トリノ五輪まで現役だっただけあって、新採点システム的な複雑なスピンもお手の物!! 得意の逆回転スピンや、180度以上開くバレエジャンプ、そして狭い舞台の上で、何度もトリプル・トゥループを華麗に決めていた。元々踊りが得意な選手だっただけに、演技力もピカイチだったわ。Ilya Klikinがいて、引き締まる感じ。彼はイイ仕事しているよ!!　

…とはいえ…　やっぱり、こんな狭い舞台で大勢の人が一緒に滑って、大技を決め、演じるというのは、「SWAN LAKEほどじゃなくても、感動的である。衣装や演出も美しいし、やっぱりこの舞台の上でスピード感と迫力があるものが観られるということが自体が興奮要素だもんね。
そして、次の作品「CINDERELLA ON ICE」も早く観たい〜!!★ 来年の6月ぐらいまではUKをまわっているようなのだが…その後、日本に来ないかなぁ〜…来年中には来て欲しいナ。　
http://www.imperialicestars.com/